『闇の守り人』


 『闇の守り人』(新潮文庫)/著者:上橋菜穂子


精霊の守り人』の続編である今作は、バルサが故郷カンバルへと帰るところから始まる物語。新ヨゴからカンバルへと舞台(国)が移ったことで、またガラッと違った雰囲気。全く別の世界観が新たに提示されたようなカンジもあります。…が、根っこは同じものに通じている、という確立された世界観であることもあり、また作者の筆力と分かり易い文章とのおかげで、思いのほかスンナリ入っていけました。前作から変わらず、細部まで描き込まれている世界観に感動。それと今作は、バルサの過去の清算、というテーマもあり、全編を通して考えさせられることも多々。ラストの〈闇の守り人〉の正体が判るシーンでは、胸を打たれました。


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