『ジェネラル・ルージュの凱旋』上下


  『ジェネラル・ルージュの凱旋』上下(宝島社文庫)/著者:海堂尊


チーム・バチスタの栄光』に続く、東城大を舞台としたシリーズ第3弾。今回は前2作に比べるとサスペンス色が薄く、ミステリ…というか、社会問題を取り上げたノンフィクションを読んでいるようなカンジ。とはいえ、そこは小説、問題を提起しているようでありつつも充分にエンターテインメント。今作も前2作に負けず劣らず、ホント面白く読めました。もう、この作者は何を読んでも面白いよ! と声を大にして言いたいくらいです。なんていっても今回は、速水部長! キャラもいいけど、とにかくその生きざまがカッコイイったらないです。さすがの白鳥も、ちょっとかすんじゃってるかな? 速水部長を通して、救命救急について色々と考えさせられました。
そして特筆すべきは、前作『ナイチンゲールの沈黙』と同時間軸でリンクしている、ということですね。前作の裏側で今作が、今作の裏側で前作が、それぞれ同時進行しているワケなので、これだけ読んでも楽しめますが、前作と併せて読めば、面白さ倍増です。さらにご親切なことに、文庫巻末に前作と今作のタイムテーブルが掲載されていますので、より分かりやすくなってます。
そういえば実写映画版の『ジェネラル・ルージュの凱旋』は、まだ未鑑賞でした。これを読んで、ゼヒとも実写の速水部長が見たくなったぞー★(^O^)


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