『ラ・プティット・ファデット』


ラ・プティット・ファデット La Petite Fadette 『ラ・プティット・ファデット La Petite Fadette』(東京創元社)/著者:しかくの


実に面白い! んだけど、一方で「うーん」と思うのも否めないかな。恋愛ものと云うにもミステリと云うにも、どちらも中途半端な感じ。途中まではよくある…でも切ない純愛ものだったのに、“どうしてそこで?”ってくらい唐突に謎解きが始まって、その解答を得て初めて、あああそこに伏線が…って思い当たることもあり、すごくよくできてるなあ…とは感心してしまう。けど結局、それまで語られてきた恋愛模様の行方はどこかへ行ってしまう。うー不完全燃焼っ!(>△<) そこらへん、“語り”でもいいので、もうちょっと何か欲しかったような気もします。
しかし…あの探偵役の“静か過ぎる乗客”に逸樹さんを重ねてしまったのは…私だけでしょうか?(^-^;)
余談ですが、巻末に、同著者の他作品『爺さんと僕の事件帖』の単行本未収録作品を含んだ新装版が来年刊行予定との告知あり。ついこないだ不完全版全4巻を買ってしまった直後なだけに多少ショックではありますが、それ以上にとても楽しみ♪ 発売が待ち遠しいです。