『イニシエーション・ラブ』


 『イニシエーション・ラブ』(文春文庫)/著者:乾くるみ


まんまとミスリードされました。最後の最後でも何が起こったのかよく分からず、本を閉じて反芻してみて、ようやくああそういうことかと理解。ネタが分かってみれば、なるほどなあ…と、素直に驚嘆。これはスゴイ。でも…好きか嫌いかの話で言うなれば、私はコレさほど好きになれなかったかも。読みながら何となくモヤモヤしてたカンジはあり、ネタが分かってからはハッキリと嫌悪感を感じてしまいました。何に、って? そらもう…いわば、オンナの“狡さ”とか“あざとさ”ってヤツに? あと、文章は読みやすいとは思ったんだけど、あくまでも“普通の恋愛”を淡々と綴っている感じで起伏がなくて、途中ちょっと退屈だったし。その構成には驚かされたけど、あくまでも“それだけ”でした。できればもう読み返したくはないな、これは。