『魔王 ―JUVENILE REMIX』1


 『魔王 ―JUVENILE REMIX』1(少年サンデーコミックス)/著者:大須賀めぐみ、原作:伊坂幸太郎


うん、コレは確かに『魔王 JUVENILE REMIX』だわ。言うなれば、伊坂幸太郎著の小説『魔王』と『グラスホッパー』の世界観を主軸にしつつ同著者の他作品の要素をも交え、さらに、…まあ掲載紙がサンデーってことで必然だったのかもしれないけど、原作『魔王』の主人公兄弟を社会人→高校生へと設定付けしたことで、青春モノ―JUVENILE―としての側面を併せ持った全く別の物語に再構成―REMIX―されている作品、ってとこでしょうか。まさしく〈看板に偽り無し〉というヤツですね。原作『魔王』の読了感にガッカリさせられていたので迷ったんですが、コレあまりにもあちこちで評判がよろしいので、ちょっとした興味で買ってみた、という次第だったんですが。ホント買って良かったと、とても読んでよかったと、マジで心の底から素直に思えました。それくらい面白いんです! まだ1巻のしょっぱなから、犬養の影響力によって徐々に少しずつ世間が狂わされていく過程がうかがえて、すごくドキドキワクワクさせられました。原作を踏襲しながら、なのに全く別の物語になっているので、原作既読でも先が読めず、したがってドキワク感も倍増です。これは続きが楽しみになりますね。また、全く違う物語なので原作は知らなくても問題ないんですが、とはいえ、原作既読者、あるいは伊坂幸太郎作品読者ならでは、といった要素もふんだんに盛り込まれているので、原作or他伊坂作品とのリンク点をいちいち発見できるのも楽しいかもしれません。ちょーオススメ♪(*^o^*)
しかし、素朴な疑問。――原作と違ってティーンエイジャー設定になったからといえ、どうして犬養をあんなにもヴィジュアル系にする必要があったんでしょうか…??


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