『魔王』


 『魔王』(講談社文庫)/著者:伊坂幸太郎


これは、とっかかりから結構おもしろく読めて、読んでくうちにぐいぐい物語に引き込まれていくんだけど…最終的にオチが無い、と思った。この1冊には、表題作を含む2話が収録されているんだけど、そのどちらも“これから”ってとこで唐突に終わってしまった感じが否めない。どちらにしても、メッセージ性は鼻につくくらいものすごくあると思うんだけどね。結局、読了後には“だから何?”って感じしか残らなかったのが残念。とはいえ、この話は同著者の『モダンタイムズ』に続いているらしいので、そちらに期待したいかな。…早く文庫落ちしてくれー★
あ、ちなみに、内容には一切問題なしなんですが、これの前に『死神の精度』を読んでいた方が、伊坂作品特有の作品間クロスオーバーをより楽しめると思います。…ぶっちゃけ内容的には、ここにそれを出す意味が無い、と思うんだけどね(^_^;) これは作者からのファンサービスなんでしょうか。