『Under the Rose 冬の物語』


 『Under the Rose 冬の物語』(幻冬舎コミックス漫画文庫)/著者:船戸明里


この作者さんは、某ライトノベルの挿絵で知って、その絵の美しさとハクリョクに魅力を感じていたものですが…そういえば描いてる漫画は読んだことないなあ、と思って。で、文庫化されているのがコレ1冊だったので、手始めにコレを購入してみた次第。やはり…久々に見るけど、ホントこのひとの絵はカッコイイなあ★ 美麗で、かつ力強い。しかも、この物語の背景である19世紀英国の貴族社会の雰囲気に、このうえもなくマッチしている。物語が視覚にすごく映える印象。当のストーリーの方は、ややホラーっぽさもあるダークなミステリ、ってカンジ? 黒いムードに気は滅入りつつも、読んでくうちに惹き付けられて、一気に読了してしまいました。家庭環境からか、えっらいヒネクレ曲がった性格の少年が主人公で、母の死の真相を探っていく、という、平たく言ってしまえばそれだけの物語なんですが。しかし、そこに肉付けされた設定が、これまた謎めいていて魅力的。主人公の母の死の真相、というよりは、舞台となったロウランド伯爵家、その一族が、一番の謎ですね。この1冊で物語としては一応の完結はされているのですが、それでもスッキリしない部分が残ります。オビのアオリに『「ロウランド家の物語」は終わらない。』とあるように、まだこの続きがあるようです。コミック単行本も現状のところ5冊ほど出ているようですが、まだ“以下続刊”のようですし。…つか、それなら文庫版の続きが出てくれるのはいつになることやら、ですよねー(-.-;) どうせなら、完結してから文庫版だそうよ? と思わないでもありません。とりあえず気長に文庫版の続きを待つつもりではありますが…さて、どうしたものか。


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