『月の船 星の林 ―地獄の花嫁がやってきた』


 『月の船 星の林 ―地獄の花嫁がやってきた』(コバルト文庫)/著者:瀬川貴次


なんと、まさかの最終巻! これで完結とはさみしいですね。そこまで大河では続かないだろうな、とは思う反面、なんだかんだで10冊くらいは続くんじゃ? とか思ってたのに。もちっと続いて欲しかったなー。…とはいえ、文庫本未収録の短編もあるようなので、“続き”じゃなくても、今後コバルトで何本か書きためて、短編集として、1冊に纏めて出してくれないかなあ? とか期待をかけてたり★
しかし、“シリーズ最終巻”って気負いもあったものか…やりたい放題でしたよねー中身(^_^;) 要所要所で平安風情のへったくれもなかったです。確かに、もともとそこまで平安平安してたカンジではなかったですが…それでも、和琴とか琵琶とかで「ギュイーン」とか、それはないよ(笑) 巻末の短編では、牛車でゼロヨンやってるし。それもないよ。…いや、でも、それはそれで面白いとは思うんですけどねっ。また、今までの流れを引き継いだ展開も面白かったですが、やはり最終巻ということで、いろいろ詰め込まれてる気がしなくもない。帝釈天のクーデターあり、閻魔サマの登場あり、暁信の能力の正体の暴露あり、と…それでも結局、何にも落ち着くところに落ち着いてないような結末が、これはこれでこのシリーズらしくていいんじゃないかな、とも思ったり。今後、2人のお姫様に挟まれて暁信はどうするかな、とか想像するのも楽しいかも。


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