『永遠。』


 『永遠。』(講談社文庫)/著者:村山由佳


すごい“いいなあ…”っていうジンワリとした感動に浸れる物語。こういう雰囲気、すごく好き。ただ…いかんせん分量が短すぎる!(涙) ただでさえ薄っぺらい本の、その1/3があとがきで、実質の分量は2/3だけ。そんなにあとがきにページ使うくらいなら本文をもっと! と思わないでもない。とはいえ…この短さが“適正”のような気がするのも確か。この作品とコラボしている映画のことを作者が『余白の多い』と評しているけど、この作品も、そんな部分を潜在的に持っているんじゃないかと思う。その“余白”の多さで、読者に何かしら喚起を促している…のかもしれない。…なんてことを考えてみたり。なんにせよ、物足りなさはあるものの良作であることは間違いないです。映画は観てないけど、そっちも観れば、相乗効果で両作品ともをそれ以上に楽しめるかもしれません。