『虚空の旅人』


 『虚空の旅人』(新潮文庫)/著者:上橋菜穂子


まったく…読めば読むほど世界が広がっていくんだから。ホントわくわくしてしょーがない★ 今回は、これまでの主人公だったバルサが一切登場せず、チャグムが主人公で進む物語。タイトルも“守り人”ではなく“旅人”だしね。あとがきで作者も言ってましたが、前3作の“守り人”作品の外伝、という位置づけであったのも肯けます。…とはいえ作者いわく、チャグムの推進力はそれだけにとどまらなかったようですけどね★(^_^;) 何にせよ、読者としては嬉しい限りです。ともあれ今回の『虚空の旅人』は、また違った国――新ヨゴの南に位置するサンガルが舞台。またもや魅力的な世界観に、魅力的な登場人物。思わず引き込まれて一気読みでした。また、すっかり一国の皇太子として立派になったチャグムの成長にビックリ。…ついでにシュガの呪術方面での成長にも。特に終盤、2人して各国のトップ相手に上手に立ち回っていくところが小気味良かったです。物語の中で、着々と時は進んでいるのだなあ…と、ミョーに得心してしまったり。このシリーズは全10巻とのことですが、このままどのようにして時が進んでいくのか…本当、先が楽しみで仕方ないです。


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