『探偵ガリレオ』


 『探偵ガリレオ』(文春文庫)/著者:東野圭吾


連作短編集だから、ということもあったのか、とても読みやすかったです。どこかで引っ掛かることもなく、サクサク読み進められました。長編をジックリ堪能するほどの時間は無いけど本格ミステリ読みたいな、って気分の時に読むのにピッタリかも。どの話から読んでも分かる、っていう形式も良いですね。手軽に楽しめるミステリとしてオススメです。ただ、理系方面に全くもって明るくない文系な私にとって、トリックが分かっても、「なるほどなあ…」と納得こそすれ、具体的なイメージがしづらいのが難点。誰にでも理解できるよう分かりやすく書かれているとは感じるんですけどね。でも、見たこともない装置とか現象とかは、やはり想像だと限度があるし、映像で見る方が入ってきやすのではないかなあ? そう考えると、やっぱこれは実写化アリだな、って思ったりもしました。現に、既に実写化されたTVドラマ&映画を多少なりとも観てしまっているせいか、それが顕著かもしれない。
そして、TVドラマ&映画を観てしまった後でコレを読んだら、多少あちこち違和感があったことも否めないかな。――いちばんビックリしたのは、あの福山ガリレオの名ゼリフ『実に面白い』。これが原作に全く出てこなかったのは驚きでした。普通に原作オリジナルかと思ってたよ。


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