『かずはじめ作品集 1』


 『かずはじめ作品集 1』(集英社文庫)/著者:かずはじめ


収録作品は『遊天使』『外道』『神奈川磯南風天組〜出会い編』の3作品。前2作が短編で、『神奈川磯南風天組〜出会い編』は連載ものだったのか、この1冊のほぼ2/3くらいの分量を占めてます。わざわざ“出会い編”って銘打ってるってことは、まだ他の“××編”って続きがあるんだろうかコレ? ともあれ、この1冊を通しての感想は、…ちょっとビミョー? ってカンジ? つか、『神奈川磯南風天組』はコレで初読でしたけど、そもそも『遊天使』と『外道』は、ともに昔読んだような覚えがあって、その読んだ当時から、ともにさほど面白いと思えなかった作品、だったんだよね。まず、『遊天使』のせーらちゃんが、どうしても“天使のように可愛い”と全く思えなくて。…って、そこから!? みたいな理由で、物語にもいまいち入り込み辛くかったし。『外道』にしても、キライじゃないんですが、これをルーツに学園モノにジャンルチェンジされた『明稜帝梧桐勢十郎』のほうがダイスキだったので、ストーリーは悪くないんだけどこのワザワザ舞台を異世界っぽくして登場人物が日本人ってどうもアンバランスだねえ…? みたいな感想しか出てこなかったんですよね。よって今回の購入は『神奈川磯南風天組』目当てだったのですが、これもこれで…うーん、ちとバカっぽすぎ? みたいな? 同作者の代表作『MIND ASSASSIN』や『Luck Stealer』が好きな読者とは、確実に相容れない層がターゲットだったんじゃないかなあ? また、この“出会い編”だけでは、いまいちパンチが足りない? てカンジもあり。――というワケで、普通ーに面白いんだけどどうもグッとこない、という、ちと残念な1冊になってしまいました。


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