『薄紅天女』


 『薄紅天女』(TOKUMA NOVELS Edge)/著者:荻原規子


『空色勾玉』『白鳥異伝』と読んできたからには、これを読まずにいらりょーか! とばかりに、イキオイのまま着手。…とはいえ、長いので読了まで数日かかっちゃいましたがね(^-^;) 今回は、また時代が移って奈良時代末期、ちょうど平安への過渡期である桓武帝下の長岡京が舞台。実際の史実でも、ちょうど怨霊だの何だの怪奇現象がブームになった走りの時代ですね。桓武天皇平安京遷都を決行したのも、廃嫡された皇太弟・早良親王の怨霊を恐れたあまりのことだとも伝わっているくらいですから。――という、そこらへんの都の怨霊騒動と朝廷の蝦夷討伐政策、そしてこれまで物語られてきた勾玉伝説を、上手く絡めた大変興味深いストーリーになっていて、とても面白く読めました。歴史の教科書に出てくるような有名ドコロの名前が出てくるたび、あれこれ関連付けて想像できるのも楽しいです。やはり古代史スキーにはたまらないですね♪


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